オート・フォーカス 第1巻 (花とゆめCOMICS)
登場人物の言葉にドキッとさせられる作品です。
話ごとに事件が起きるわけではなく、日常を
綴っていく感じです。
それぞれの人物の気持ちが丁寧に書かれていて、
展開が急すぎることもないのでゆったり読めます。
新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)
汐留,丸ノ内,六本木ヒルズ,代官山,町田,おまけに北京といったまちを著者 2 人が実際にあるきながら会話した内容を中心として,それに 2 人が文章を足して構成している.文章だけでも 200 ページをこえるボリュームがあり,新書にするには写真を十分にいれるスペースがとれなかったのだとおもうが,会話の文章から情景を想像するのはむずかしい.だからますます,あまりいったことのない場所にはいきたくなる.
丸ノ内や六本木ヒルズは目にうかぶが,東京に住んでいながら汐留や代官山にはほとんどいっていない.うしなわれた同潤会アパートはもはやサンプルしかのこっていないが,ヒルサイドテラスにはまだみるべきものがあるらしい.汐留も反面教師としてみておく価値があるのだろう.今度,時間をつくって,いってみようとおもう.
ヒルズ 挑戦する都市 (朝日新書 200)
まちづくりに関わる人であれば参考になる本だと思う。
良くも悪くも東京のシンボルになった「六本木ヒルズ」。
ヒルズの本当に目指していたところが、本書に書かれています。
ヒルズを作り上げた苦労話はドラマティックでもあります。
この本を手に、もう一度ヒルズを見たら参考になると思いますよ。
悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)
2時間ほどで読み上げました。
少々同じ内容が繰り返され飽きてしまいましたが
上手く転がされました。
暇つぶしに読むにはとてもいい本です。
本の中にぎゅっと入っていけます。
天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~
おしゃれなカフェやステキなバー、斬新なレストランがない町は日本中にたくさんあるけれど、スナックのない町はない。
よく考えれば日本で最も多い社交場なのに、ちゃんとしたガイドも研究もない。
ごく一部の都会の人が、ごく一部のステキな場所でワインを飲んでいるあいだ、日本人の9割以上はスナックで水割りを飲んで、歌っているのだ。
「ヤンキー」であり「相田みつを」であり、「ワンルームマンション」でもある、日本中に偏在していて日本人が大好きなのに、メディアが決して取り上げることはないもの。
それらを宮本常一のように黙々と記録してきた著者のテーマがスナックに向かったのは、ごく自然なことなのだろう。
日本の「コミュニティ」について議論・研究するなら、スナックとそのママの役割を抜きには語れないはずだ。
スナックを黙殺するメディアやアカデミズムへの怒りに、それをやるのが自分しかいないという使命感をのせて、著者は今日もスナックで一曲こぶしをきかせているだろう。
それにしても、ママたちの愛らしい魅力は、本書を読んでもらうしかないのだが、あらゆるスナックにステキなママがいて、ママには歴史がある。
日本中に山ほどスナックがあるし、出している酒や料理が特別なものではないのに、通ってしまう理由はただ一つ、ママの魅力と笑顔なのだ。
著者の現代民俗学の最新の成果であり、日本で減りつつある愛すべきママたちへのレクイエムでもある。