サイレントメビウス・クライン 完全版00 (トクマコミックス)
サイレントメビウス本編の発端となった世紀末の事件を描いたもの。
読んでみるとやはり面白いが、どうも終わり方がすっきりしない。尻切れトンボというか、もう1巻分くらい話を伸ばしたほうが、サイレントメビウスの「序章」としてすっきりしたと思う。
ほかの麻宮作品からの登場があり、お祭りみたいになっているがどうもそれらのキャラクターを生かしきれておらず(もっとも、あそこまで味の濃いキャラたちを、1巻程度で生かしきるというのがそもそも無理があるのかもしれないが)、また元ネタを知らない人にとってはあまり面白いと直に感じられない部分が多いかもしれない。
特にヴァグランツ、コンパイラを読んだことのない人には、いまひとつきつい作品である。
完全版を買うメリットはコンプリート目的が大きく、作品そのものを見たい場合、ほかの版でもかまわないかもしれない。
サイレントメビウス ベストヴォーカルコレクション1500
アニメ版の禁断のパンセが聞きたくて、この商品を買いました。
聞きこめば聞き込むほど、他の曲も味のあることに気づきました。
アニメばかりがサイレントメビウスではないのだな、と痛感した次第です
大和撫子紫電改 (ジョイ・ノベルス・シミュレーション)
とある事情で40年ほど早く高度成長を達成した日本のお話。「政治に目覚めた山本権兵衛」がきっかけを作り、海軍の中に
国家があるような1940年代。
作者は強いヒロインが得意ですが、今度は江戸っ子で能力も実力もあるのに「私なんかがこんなに昇進しちゃってどうしよう・・・」。
そんな彼女を部下は慕い、上官も「なりは小さいが男よりでっかい金玉を胸に納めた大和撫子」と評します。
タイトルは「紫電改」ですが、この巻に登場するのは中翼の紫電。でも誉ではなく火星装備で空母運用も可能な「パワーは
力だ」という機体。
普通は「国力をつけた日本が米国相手に奮闘」を予想しますが、ここでは日米開戦を回避するべく大輸送作戦を展開します。
でもすんなりゆく訳はなく、地中海で同盟国たるドイツ相手に戦闘が発生。もとより日独伊三国同盟が怪しい雲行きになって
いたこの世界、米英ソも巻き込んで大波乱の予感。
なんと仏海軍が強いです。不意打ちとはいえ日本戦艦を撃沈、夜襲を仕掛けた日本艦隊を返り討ちにしたり、まっとうに
運用されるジョッフル級空母(史実では未完成)など、ヴィシーフランス海軍に光が当たるのは珍しい。
そして表紙にも登場している名状しがたき艦橋を持つ空母「扶桑」。コンセプトはグラーフ・ツェッペリンの拡大強化版といった
雰囲気ですが、よりにもよってあの艦橋は形をそのままオフセット配置。「あんな妙なデザインは英国人しか作れない」と登場
人物に言わせていたり。なんだかんだと作者は扶桑が気に入ってるんだろうな。
初期作とくらべると文章も読みやすくなり、話の筋も分かりやすくなりました。今後に期待。
そうか、近衛文麿首相は○○に詳しいのか・・・。