私が一番受けたいココロの授業―人生が変わる奇跡の60分
本書は専門学校の授業を一冊の本にまとめたものですが、格段にレベルの高い講義であり、感動してしまった。ページ数はそんなに多くなく、値段も安い。しかしながら奥が深いです。
正直のところ、レビューを読ませていただいても、あまり信頼できなかった。しかしながら、読みきってしまった今、レビューを書いてくださった皆さんには感謝していますし、本書にまだ眼を通していない方は是非とも手に取って頂くことはお勧めします。
久々の快作であり、良書です。すばらしい。!内容の奥深さに驚愕しました。
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち
エチ先生の「銀の匙」の授業を受けてみたい。幸運にも奇跡の教室を体験されたわずか1000名の方々が羨ましい。というのが本書の素直な読後感である。戦前にとある神戸の私立学校に赴任して(後日、東大合格日本一になる灘校)、一教科一担任の6年間繰り上がり制というシステムの中で、中勘助の「銀の匙」の文庫本1冊だけを使って授業をすることを決意するエチ先生こと橋本武先生。そして、エチ先生の奇跡の教室を体験した「銀の匙」の子供達(東京大学総長など)がこの本の主人公である。エチ先生の授業は「銀の匙」をゆっくりと読みこなしながら、古典、歴史などあらゆる脇道に大いに逸れながら、本物の学ぶ力と生きる力をつけてくれる。洪水のような情報が瞬く間に流れていく現代社会では想像を絶する「スロー・リーディング」授業であろうが、すぐに役立つことは、すぐ役立たなくなるものであるとするエチ先生。大学受験、いや中学受験が当たり前になりつつある現代は、受験テクニックや知識の詰め込みが中心になりがちであるが、長い人生を考えれば横道に逸れるエチ先生流の授業こそが身になり血になるものであると考えさせられる。実際にエチ先生の授業を受けることはもはや叶わぬ夢であろうが、先生が使用されたガリ版刷のプリントを是非拝見したいものだ。それに「銀の匙」を読んでみよう。