[コレクターズ・シネマブック]未来世紀ブラジル(初回生産限定) [Blu-ray]
2012年12月に北米クライテリオン社より
『未来世紀ブラジル』コレクターズBDが発売されることが決定したので、
現在手に入る情報に基づいて本作のBD/DVDソフトの違いについて記しておきます。
購入の参考になれば幸いです。
国内盤DVD(フォックス、本商品に収録)
本編:143分インターナショナル版(日本劇場公開版)
音声:英語音声の仕様不明(ジェネオン盤はリニアPCM2.0ch)、日本語吹替なし
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
<日本劇場公開版を観られるのはこのDVDのみ>
国内盤BD(フォックス、本商品に収録)
本編:144分ディレクターズ・カット版
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch、日本語DTSステレオ(TV放送版、カット有)
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
<コレクターズ・シネマブック盤のみ12ページ解説書収録>
北米盤BD(ユニバーサル)
本編:132分US劇場公開版
音声:英語DTS-HDMA 5.1ch
特典:なし
<US公開版を観られる・5.1chサラウンドを楽しめるのはユニバーサル盤のみ>
北米盤BD(クライテリオン)
本編:142分ディレクターズ・カット版(国内盤BDと同内容。ギリアム監修の修復マスター使用)
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch
特典:94分ハッピーエンド版本編、テリー・ギリアム監督による本編コメンタリー、
メイキング”What is Brazil?”、ドキュメンタリー”Battle of Brazil”、
脚本についてのドキュメンタリー、ギリアムによるストーリーボード、
ドキュメンタリー集:プロダクション・デザインと特殊効果について/衣裳について/音楽について、
予告編、解説書
<ハッピーエンド版と豪華特典を観られるのはクライテリオン盤のみ>
未来世紀ブラジル [DVD]
「社会システムによる個人の疎外」というテーマを扱った映画は古今東西数多くみられるが、本作ほど優雅に美しく、その哀しみを描いたものを私は知らない。テリーギリアムの独特で強迫的な美意識は、歪んだユーモアを随所に散りばめ、観る者を、いわば「愉快な絶望」に誘ってくれる。映画公開時に同行した友人が、本作を「ハッピーエンド」と主張して譲らなかったことが忘れられない。観る度に、名曲「Brazil」が頭の中をリフレインし、なぜか涙が出ていることに気づく。
未来からの警告 (ジュセリーノ予言集 1)
本書に紹介されているとおりに、何の作為もなく、ジュセリーノ氏が何年も前から真に事件や災害を正確に予知しているというならば、これほど救いのない書物はない。
地球環境の危機は、ジュセリーノ氏に指摘されるまでもなく、昨今の異常気象が指し示しているところであるが、やはり破局はこのままでは避けられないということか。
予言では2043年に世界人口の8割が消えるというが、現在の66億人を基準として言っているなら世界人口は約13億人ほどになり、これは19世紀の産業革命当時の人口とほぼ同じ。
ジュセリーノ氏には、この生き残った人類が地球を再興していく予言を次回作でぜひ披露していただきたいものだ。
未来世紀ブラジル [Blu-ray]
1980年代、SFサイバーパンク映画が量産された。
そのほとんどは二度観なくても良いものだったが、本作と「ブレラン」は違った。
内容は全く違うものだが、どこか未来を暗澹とさせる「カオス」を作り出すことで、
この両作品は際立った。
ブラジルは最初観た時からあの「テーマ」が頭から離れず、時々あの陽気な
スコアが脳内で流れだす(笑)。
順序は「ブレラン」の方が先だが、それを真似た嫌いは一切ないのに、どこか
暗い未来を描きだす・・・。
古くは「メトロポリス」や「モダンタイムス」も同様のテーマ性を持っていたが、
実際の世界も「レトロ」でこそないが、これらの「情報統制社会」が実現しているのが
恐ろしい。
もともと本作はイギリス映画だ。「モンティパイソン」ばりに大笑い出来るシーンも
多くあるが、あのラストには驚かされたものだった。
これが賛否両論で、アメリカの配給を手掛けた20世紀FOXとユニヴァーサルで
結論が違うバージョンが出来る始末になった。
T・ギリアムは「トラブルメーカー」としても知られるが、O・ウェルズらに比べれば
大人しいものだ。大学出のインテリに乗っ取られたハリウッドのエグゼクティブたちと
意見が合わないだけだろう。
昔のハリウッドもパインウッドも、日本の活動写真だって「博打打ち」の世界だった。
この傑作がHD化されるのは大変喜ばしいことで、VFXの場面に粗い場面はあるものの
概ね1985年の作品としては上出来なレストアだと思う。
ただ、特典映像の新録がないのが残念。SDでのメイキングは30分だが、これは撮影時
に収録されたものである。
星は文句なく5つだが、新しいメイキングがあればもっとよかった。
未来世紀ブラジル
近未来?のとある国。管理の行き届いたコンピュータ社会の中で、情報省記録局の役人が叩き潰したハエによる印刷ミスでテロリスト「タトル」と善良な一市民「バトル」が間違って逮捕される。主人公のサムは処理を任されるが…
と、これがこのCDの音楽が使われている映画の大まかなストーリーです。
ちなみに「未来世紀ブラジル」の「ブラジル」とはテーマに使われている陽気な楽曲のこと。
特に映画のなかでどんなシーンにも使われているこの曲は絶品です。
暗い時も、楽しい時も、ピンチの時も、ラストの瞬間までこの曲が使われています。
明るいサンバのリズムにのって映画の細部までを思い出すことができます。
是非映画を堪能した後にじっくりと聞いてみてはいかがでしょうか?