凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ
他のレビュアーの方のコメント通り、7人の方がエッセイ、それ以外の方が短編を書かれています。(短編は全て書き下ろしと思われます)
短編は力作揃いです。特に、赤江瀑さん、有栖川有栖さん、皆川博子さんの作品は、中井英夫への、まさにオマージュ。素晴らしいの一言です。決して「売れっ子」作家ではなく(晩年は金銭的には決して楽ではなかったそうです)、戦争を体験し、短歌雑誌の編集者として活躍し、屈折を抱えながら独自の美しい世界を紡いだ中井英夫という作家の作品世界に、より接近できます。
エッセイの中では、山田正紀さんと三浦しをんさんが好きでした。
いろいろな作家の作品を集めた「アンソロジー」ものは、読みだす前の期待度は高くとも、読み終わると、やっぱり自分の好きな作家の短編集のほうが良かった、という感想になることも多々ありますが、この本に関してはそういうことはなく、期待を裏切りません。あまり売れるとは思えないので、絶版・希少本になる前に入手するのが得策と思われます。
ロマンス~ピアノ小品集
このCDが自分が購入した田部京子さんの最初の一枚でした。
選曲の良さと田部さんの”心”と”こだわり”を感じる音色の美しさにはまってしまい今では他のアルバムもたくさん購入。
中でも1曲目のロマンスが好きで、何度もリピートして聴きたくなるほどの名演奏。
ぜひ皆様にも聴いていただきたいおすすめの一枚です。