はじまりは愛の契約 (ラズベリーブックス)
ラブシーンが非常に豊富で濃密です。
もともと「そういう」本を書いてみよう、という趣旨で創られたシリーズのようですが
主人公二人の気持ちの移り変わりが丁寧に描かれていてロマンスとしても意外に
面白く読めました。
ロマンティックサスペンスなのですが、そんなにハラハラしないので軽〜く読めます。
気分転換にオススメ。
芥川也寸志: オーケストラのためのラプソディ/ エローラ交響曲/ 交響三章
NAXOSが出している、「日本作曲家選輯」の中の1枚。いつもの通り、このシリーズを監修している片山杜秀氏の、詳細な解説がついています。指揮は日本人の湯浅卓雄、オーケストラはニュージーランド交響楽団。初めて聞きましたが、結構いいコンビだと思います。ラプソディ(1971年作曲)、エローラ交響曲(1958年)、交響三章(1948年)の3曲が入っていて、芥川の作風の変化が分かるようになっています。
聞き物はなんといってもエローラ交響曲。交響曲といっても、複数の楽章に分かれているわけではありませんが、ストラヴィンスキー、バルトーク、ヴァレーズ等々、20世紀の様々な音楽が芥川の中で昇華され、見事なリズムの饗宴になっています。トラックも16に分かれていて(でも全曲で17分ほど)、何かと便利です。
これをきっかけに、作曲家芥川也寸志の名が、世界に知られるようになればいいと思います。
アジャンタとエローラ インドデカン高原の岩窟寺院と壁画 (アジアをゆく)
この本は、思ったほど文章が多くなく、写真中心で見易いと思います。インド石窟寺院遺跡の写真集といった感じです。写真のクオリティーの高さ、豊富さもすごいのですが、この本で解説していらっしゃるのが、インド文化史研究の第一人者、立川武蔵さんで、キレのある分かり易い説明が詳しく書かれています。インドの宗教や文化を、長年あらゆる角度から研究されてきた方の解説なので説得力があります。仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、三者三様それぞれの壁画や石窟彫刻の意味について、理解を深めながら写真を見ていく事が出来ます。インド宗教芸術を深く探求し、また楽しみたい人にお勧めです。