THIS IS ENGLAND [DVD]
イギリス史上最高の青春映画と評されているようが、(例えば「さらば青春の光」がそうであるように)英国の社会・文化について興味のない人間には、今ひとつと映るのではないか。社会性の強い映画であり、観賞する側もそうした視線を共有できなければ作品の世界観に入り込むのは難しい気がする。
言うまでもないがイギリス(英国)とイングランドは同義ではない。かたやユニオンジャック、かたやセントジョージズクロス。イギリス人(British)はナショナリティ、イングランド人(English)はアイデンティティを意味する。ミルキーへのコンボの問いかけには、連合王国が抱える複雑な社会背景と、この映画の根底に横たわる哀しみが凝縮されている。だが、日頃「イングランド人」という日本語を目にすることはあまりないし、その現実はこの映画においても変わらない。
全体的に判断すれば、この作品の持つエッセンスを何とか日本語にしようとする工夫の跡が伺え、その点は評価したい。だがやはり、ところどころ残念な気持ちになる。どのシーンも丁寧に撮影されており、音楽もよい。ビジュアルとして素朴だが、映像作品としての完成度は高い。なによりコンボ役のグラハムをはじめ、ひとりひとりの演技が素晴らしい。アメリカ映画に登場する俳優達とは、また違った力強さがある。英語に自信があるならサブタイトルなしで観てみればよい。英語が苦手であっても、サブタイトルを消してもう一度観てほしい。登場人物たちのエネルギーをより直で感じる事が出来ると思う。
2枚目のディスクも、作品の時代的背景やメドウズの視点を理解する手がかりになる。ただ残念ながらブックレットには誤植がある。この映画に敬意を示す意味でももう少し丁寧に仕事をして欲しかった。
Tales From the Tracks: Thomas & Frineds [DVD] [Import]
・Thomas and the Birthday Picnic
・Flour Power
・The Magic Lamp
・Keeping Up With James
・Tuneful Toots
・Thomas Tries His Best
の6つの新しいお話とオマケの歌がとても良かったです。どのお話も最高でした。銀色のパーシーが付いてきました。
Trackside Tunes [DVD] [Import]
曲は、ダックの歌、ハロルドの歌、事故は起こるさ、パーシーの歌、ダンカンの歌などでした。
お話はゴードンとサーハンデルたちのお話が2話入ってます。
画像も当時の物としてはきれいです。もちろん日本語版よりも。
おもちゃはトーマスが入ってました。
おすすめですよ。
THIS IS ENGLAND スペシャル・エディション [DVD]
自分も思想的にガッツリ右に傾いてた時代がありますから、この作品はなんか身につまされて、視聴中に心が痛みました。
右翼のコンボは、そりゃ嫌な奴かもしれませんが、彼にはああいう思想に傾倒してしまう理由や背景がちゃんとあるんですよ。俺はそれを想像できましたが、想像できない人もいるんだから、彼の生い立ちや過去を説明的に描写しても良いんじゃないかなーとは思いました。
主人公が最後にイングランドの国旗を海に投げ捨てるシーンは象徴的です。右翼になった人間は、いつか右翼を卒業しなきゃダメなんですよね。