唄の市 番外編I 泉谷しげるVS古井戸 (紙ジャケット仕様)
古井戸は不思議な存在だった。かぐや姫よりは重く関西フォークほど重くもなく今思えば当時の東京の若者の心情や日常を実にリアルに表現していたと思う。詩も社会的ではなく恋愛文学的で、加奈崎のヴォーカルはド迫力で仲井戸のギターは完璧だ。昔、拓郎〜泉谷ファンだった高校時代、幻のフォークライブというシリーズのレコードで泉谷目当てで買い、正直中途半端な印象でさほど好きでもなかった。CD化を知ったときも泉谷の行きずりのブルースの弾き語りがほしくて購入したが、改めて古井戸の才能に感じいった。30年近くたった今、毎日ブランディをのみながら聞いている。都会的な雨の日の街の叫びで始まり、抒情詩の文学的詩情、後半の花言葉からチャボの詩の朗読に加奈やんのコーラスがからみ大雪のあとでになだれこむくだりはすさまじく、最後の名曲ポスターカラーでしめくくる。完璧なライブだ。泉谷もいい
エレックシングルコレクション 喜怒哀楽 [Compilation]
今まで入手不可だった、よしだたくろうのデビューシングル『イメージの詩/マーク'U』を念願かなって聴けた。これはたくろうファンなら価値あるCDだ!残念なのはこのデビューシングルが欲しい人はかなりいると思うが、『エレックシングルコレクション』として出ている為、この曲が入手出来る事を知らない人が多いだろう。よしだたくろうのCDとして出して欲しかった。
ぼくの好きなキヨシロー
正直、この内容でこの値段は高いと思う。
特に、著者である二人にあまり興味のない、若い世代の清志郎ファンはちょっと手を出しにくいかな・・?と。
しかし、オールド(?)ファンにはそれなりに大きな収穫があった。
泉谷と加奈崎の対談もあるものの、ほとんどそれぞれ二分されたページを受け持つカタチをとっており、わりと軽く読める作りになっています。
泉谷は基本的に"RC、清志郎ファン"とゆう括りから少しも逸脱しておらず、その辺のキヨシファンが寄稿しているのと何ら変わらない文章です。
実際、どこかで見聞きしたような既出の内容が多く、目新しさがほとんどなかった。
ホントに"お調子者"過ぎて、清志郎でなくても距離を置いて付き合いたい気持ちは、読めばよく判ると思います。
清志郎の73年、古井戸への寄稿文をはさんで加奈崎のパート。
終始冷静に俯瞰から言葉を置いていく文章は、それだけで読んでいて好感が持てた。
さんざん昔から清志郎やチャボの本やインタビューを読み漁ったけど、たとえば、チャボとの出会い、古井戸としてのRCとの邂逅、古井戸の解散時、RC絶頂期等・・ 数々のクライシスモメントを共に過ごして来た男の"事実の裏づけ"を読んでいるようで、たいへん貴重な記録だと思った。
特筆すべきは、『デイドリームビリーバー』の訳詞は義母に捧げられたものであること、リンコさんの中での"RC"への想い、なぜ90年代以降"愛、夢、平和"といった直接的な言葉を清志郎が多用するようになったのか?・・の加奈崎の解釈が的確なような気がして、その部分だけでも、お金を払って読む価値は充分にあるでしょう。