ゲゲゲの女房のうた
この能天気さは、まさにムーンライダースならではのものだ。
楽しくも怪しげな雰囲気はさながら妖怪大運動会のよう。
そして小島麻由美のボーカルが、いつもより数段に素っ頓狂で、この「ゲゲゲの女房」に合わせた歌唱をしているのはさすがだ。
もちろん鈴木慶一の歌声は普段通り(それでも怪しさ抜群)。そこもさすがだ。
水木しげるの妖怪ワールドのイメージを音像化したものとして、これ以上ないくらいに素晴らしい出来の楽曲。
そして、このムードを醸し出せるのは、世界中見渡してもムーンライダーズしかいないと思う。
日曜はダメよ
ファースト・アルバムの『anmi2』がとても印象に残りましたが、本作も充実した仕上がりだと感じています。安藤まさひろさんとみくりや裕二さんは、所謂フュージョン系のサウンドを奏でますが、幅広い音楽性を持っています。
ビートルズの名作『 Abbey Road』に収められている「Here Comes the Sun」がイイですね。原曲の持つイメージを壊さずに、爽やかに軽やかに演奏しています。アコースティック・ギター特有の弦の響きがまた格別です。
竹内まりやの「元気を出して」の選曲も嬉しかったです。オリジナルの持つ温かみがギターのサウンドからストレートに伝わってきます。演奏者のハートの温もりがアレンジや音色を通して聴く者に伝わる演奏というのはあまりありません。長いキャリアから裏付けられたテクニックは抜群で、ステキな音楽を聴かせてもらいました。
グレン・ミラー・サウンドを彷彿とする電気あんみつの「In The Mood」のスウィング感もご機嫌でした。2人でフルバンドのスコアを演奏するのは大変なテクニックがいったと思いますが、違和感なくこのジャズの名曲を聴きました。
アルバムタイトルのギリシャ映画「日曜はダメよ」も懐かしく聴きました。あんみつのお二人が子供の頃に流行った音楽を今また新しい感覚で蘇らせましたね。
オリジナルの「October」、「Dear Life」、「モノクローム」、「おもかげ」は、長くステージで演奏されてきた曲等ですので、安定感もありますし2人の思い入れも感じ取れます。個性豊かな演奏が並んでいると思いました。
日曜はダメよ [VHS]
¢¡aäoo"2è... ̄è¨aa£ ̄"o§¨a¨oä-§äoo°-è...a ̄é'§ ̄a\¿§¢'¨"¨§è £a'a£¨ è象'¨±o'£a¢äa£-£ ̄a¨è¶3''-é'èo'¨
£'"¨-"§¡'£2ä2é-"¨¡ ̄a¨-ä¿¡é a3§ä¨-a'éè¨a££¨-¡£¨°-a-¡ 'é¢ ̄¨-a¨éäoo '¡"§'äoo3311é¢a¨!äμa£°'謡a2a11¡§
最新!TVCMクラシックベストヒット
曲目リストを見ると、映画音楽も入っている。悪いとは思わないし、現代音楽(そんなジャンルは無いのだが)作曲家が映画音楽を手がけている例は、我が国の武満徹や黛敏郎など多い。しかも質が高いので、いっこうに問題は無いのだが、レーベルの問題から、オリジナルサウンドトラックを使えないのが残念なところである。また、歌曲はやはり、歌曲として録音して欲しかった。また、演奏家全てを一流どころで揃えられなかったのも惜しい。という訳で星1つ減点としました。映画音楽をクラシックとして扱う事には、賛成です。良い曲目が選ばれている故、演奏も良い物であって欲しかった。惜しい1枚です。
日曜はダメよ [DVD]
レッドパージでアメリカを追われたジュールズ・ダッシン監督のギリシャ資本のコメディ。本のなかでしかギリシャを知らないアメリカ人旅行者ホーマー(ジュールズ・ダッシン本人)が数ヶ国語を話す娼婦イリヤ(メリナ・メルクーリ)に出会い彼女を娼婦から足を洗わせて知的な女性に更生させようとする。この展開は「マイ・フェア・レディ」と同じだがオチが全く違う。
ホーマーはギリシャの本質を全く理解していない(ギリシャ語も話せない)のに本の知識で得たギリシャ感を押し付けようとする伝道師的な人物。しかし、利害が一致するからといって最後には自分の道徳観も捨ててイリヤと敵対する相手と組んでしまう。この展開はまるでレッドパージ下のアメリカ全体を皮肉っているようにも思えし、聡明なイリヤがホーマーの思うがままにならないところも良い。まるで「マイ・フェア・レディ」の逆手にとってアメリカを批判しているようにも思える。
後半にホーマーがブズーキの奏者に楽譜が読めないことで音楽家としては失格というくだりも同様の意図があったのか。しかし、ホーマーのキャラクターがいわゆるコメディで描かれそうな典型的な伝道師なのがちょっとやりすぎのような感じがする。
また、イリヤがホーマーに乗って更生しようとするところも「何故急に心を入れ替えたの?」と思ってしまう。そんなところはちょっと不満。
ブズーキのメロディが魅力的な主題歌(ジュールズ・ダッシン監督の「トプカピ」もこのメロディが活躍する)も生きているし、陽気なギリシャの人々が盛り上げる展開はこぎみ良くて楽しい。
イリヤのギリシャの悲劇「メディア」に対する観方も面白い。ジュールズ・ダッシンの「メディア」感が反映しているのか。後に「女の叫び」でメリナ・メルクーリとエレン・バースティンという2大女優を競演させて描いているのでこちらも必見。
コメディとしても面白いが様々な考え方が潜む奥の深い作品だ。