まぼろしの市街戦 [DVD]
この映画が大好きです!
先ず、色がきれい!白っぽい石の壁に、パステルカラーのチョークで描いたような画面なのです。
そして、石畳の町と、建物。すごーくフランスっぽい。
そして、精神病院の心優しい、おとぎ話のなかで暮らしている患者さんたち。
彼らが戦争で門があいちゃったので、ふらふらと街へ解き放たれていく・・・
スカーフをふんわりとさせたりして・・・
お人形のようにかわいいジュヌビエーブ・ビュジョルドや、貴婦人やお髭のおじさまや・・・
エレガントで心の中が詩でいっぱいのひとたちばかり・・・まるで、パリの蚤の市の古道具だとか、に囲まれているような、懐かしくも暖かい気持ちになる。
最後にまた街の人たちが戻ってくるとき、患者さんたちは自分から病院へ戻っていく。そこでしか、自分たちのユートピアは存在していないのだ、というように。
フィリップ・ド・ブロカというひとは、素敵だなー、と思います。リオの男、とか大盗賊!とか。ロマンティックで夢と冒険と、宝物の入ったおもちゃ箱を、心に持っている人、だと思う。
まぼろしの市街戦 [DVD]
反戦のメッセージだけでなく、患者と王様になった主人公が村で過ごす、夢のような別世界の奇妙なおかしさ楽しさが魅力。
ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドが初々しく可愛らしい。
それだけに有名なラストは、せつない。
純粋な者の美しさ。本当に狂っているのは誰なのか?本来持ち得る映像作品の本当の力を感じます。
以前テレビで2,3回観ました。また、とっても観たいのですが、DVDは既に絶版。残念!
レンタルショップにビデオがあれば観ることができます。
まぼろしの市街戦 [DVD]
第一次世界大戦を背景に戦争のおろかさ、狂気の根源を一人の兵士を通して描いている。監督はドタバタ喜劇の才人だが、反戦映画としてこれほどの作品にはなかなかお目にかかれない、観た人が少ないのが惜しい。ところどころに隠された毒と笑いを堪能して、ラストシーンを噛み締めるべし。