渚にて [DVD]
村上春樹さんの「1Q84」にタイトルが出てきたので、その影響で購入しました。
40年以上前の映画なんですね。カラーではなく、白黒でした。
不覚にも、最後は泣いてしまいました。
核戦争の影響で、唯一生き残った人々にも、刻々と放射能汚染が忍び寄り、人類絶滅の日が近づいている。
それなのに、人々はとても理性的で、正しく、自分の信念を持って生きている。
その姿がとても美しい。
人々には、放射能汚染の兆候が体に出た時、楽に死ねるように、自殺用睡眠薬が配られる。
それを使用して死ぬ人もいれば、自分に後悔が残らないような死に方をする人もいる。
人類絶滅の映画とは思えないほど、静かな映画。
パニックなどは起きません。
それがかえって涙を誘う。
今、この時代に、同じ内容の映画が作られたら、どのような映画になるのでしょうか。
きっと、人々は叫び、泣き、犯罪を犯し、破壊行為を繰り返し、すさまじい光景の映画になったのではないでしょうか。
きっと、こんな静かで美しい映画はできないでしょう。
人々の心の清らかさに感動しました。
ビタミンF (新潮文庫)
不満・喜び・ストレス
日常の生活へ抱いている説明しがたい感情を
綺麗に言葉で表現してしまうところが重松さんのすごさだと思います。
ナイフでは思春期の子供の感情が痛いくらい伝わってきて
読んだ後に大きな余韻が残りました。
しかし今回の作品は中年男性が主人公。
女性で、且つ若輩者である私に
果たして理解できるのか。
読み終えた感想は、すばらしい、です。
いじめやキレル子供を扱った作品には
白々しく説教くさいものが多く
読んでいて気分の悪くなるものも多く見られます。
しかし重松さんの文章は、敢えて父の立場も母の立場も
問題を抱える子供の立場も
取り立ててひとつだけを肯定することなく、
全てをふんわり包んで背中を押してくれる。
生き方に疑問を感じてしまった私たちに
また歩き出す元気をくれる。
もういっかい家庭を見直そう、帰ろう
そんな気持ちにさせてくれました。
未成年
芸術的感性は円熟していくものでもあるが、この人の場合ははじめに完成されていて感性は鈍っていくものだったのが感慨深い。あ、ほぼ同じ時代にデビューした村上春樹の作品のなかの世界観と重なるところがある。
俳優としても注目されていた、繊細な感じの外見もおかしな形に年齢を重ねてしまって、のみならず人生の運気のようなものも伴っているように思う。
バブル崩壊と歩みを共にしているのは驚くべきことだが、作り手聞き手共の心情を経済はこれほど支配するのだろうか?大江は経済学部出身なので自身、もっと鋭く認識、考察しているだろう。
このCDのなかの「Sexuality」が知っている作品のなかでもっとも好き。マイナーチューンであんまりそんなこといわれないと思うけど。甘くなくて、わざと単調な流れにしてあるところが日常を思わせるから?「ゼミが3時からあるねん」というて中央芝生に立ち、身じろぎをするとあの草の音がしそう。そんなシーンに憧れて彼と同じ大学に入ったけど、もちろん現実というのはそれだけで満たされず、白けている。
村上龍のRyu's Barに出て「あなたの曲を聴くと青春は楽しくて、こんな感じで生きてたらいいな、とか思うんだけど、本当にそうだったの?」と聞かれて「なんにもいいことがなかったから、そういうのを作り続けてるんです」と答えていた。非在により痛切に知る。これは経済には支配されない核の部分だ。時代は違っても若い人は同じことを感じる。再び村上春樹の、光の部分を表すビーチボーイズの世界と重なっている。
渚にて
やっと出たかという感じです。今までも何度も何度もCD化の話が出ては立ち消えとなり、中古レコード屋を探したものですがこんなに簡単に手に入るようになるとは思いませんでした。walk onのアルバムヴァージョンが聞いてみたくて探してたのですがドーナツ版シングルと何処が違うのかよくわかりません。
なにやら個人的なことを書いていますがこの値段でもう聞けないと思ってた音が聞けるのはとても嬉しいです。ただコアなファンにはお薦めなのでしょうが、軽く聞いてみようという人にはこのアルバムじゃないほうがいいと思います。
渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)
核兵器による破滅テーマ。もはや人類滅亡を逃れるすべはなく、間近な死に直面した軍人・民間人のさまざまな群像を叙情豊かに描きます。
原潜の自爆、泣く泣く乳児を毒殺する若い夫婦、成就することのない恋愛、…極めて重い内容ですが、だからこそ最後まで読んでほしいと思います。映画でも名優が抜擢され、原作と遜色ない出来に仕上がっています。