ルー・リード/ベルリン [DVD]
これはルー・リードというアーティストの特異性が凝縮された作品だ。
まず第一に、30年以上も前の、商業的には失敗とされた作品を曲順通りに演るというライブが興行として成り立ってしまう例はそうそうないでしょう。しかもそれがルー・リードの過去と現在を見事に繋ぐことに成功しているのだから。
そしてこのステージでの姿には衰えというものがまるで感じられない。アルバムの性格上当然なのかもしれないけど、繰り出される曲たちは“懐メロ”になどなっていないし、過剰な装飾で誤魔化したりもしていない。コーラス隊や管弦楽ユニットが『ベルリン』の雰囲気を醸し出すのに一役買ってはいるけれど、それはあくまでもルーと彼のバンドの添え物に過ぎない。気高くも哀愁の籠ったピアノに導かれるタイトル曲の余韻を「レディ・デイ」のイントロが切り裂くとこなんか背筋がゾクゾクしちゃうね〜。
基本的にこの作品はライブをありのままに収めたコンサート・フィルムだ。随所にジュリアン・シュナーベルが手掛けたイメージ映像が差し挟まれたりもするけど、それはバックのスクリーンに映し出されていたものなので、ここでは徹頭徹尾ステージ上にあったものしか撮られていない。そのステージ上のメンバーたちは決してルックス的にイケてるとは言い難い。でもこの作品は、驚くほどに美しい。
それはきっと『ベルリン』という作品自体が元々持っていた美しさを、このステージに関わった全ての人が表現しきったからだろう、と思う。この“音による映画”が本編ラスト「サッド・ソング」で、美声コーラスと、爆音と言ってもよい演奏が入り混じって締めくくられる様は圧巻!
このライブからはルー・リードという人の歩んできた道までもが透けて見えるけど、同時に今現在のルー・リードの格好よさも伝えてくれる。
還暦過ぎでもこんなことができるんだな〜。
Rock史上屈指の歴史的名盤の一つが 奇跡の映像化…
商業的キャチフレーズをつけるとしたら
こんな感じであろうか
当時ルーは「このSyndromeから脱却するのは大変だった」と言っている
即ち、本人は本作にて精魂使い果たし、その後30年余りもの間、Liveで演奏するのも嫌だったのである。
この監督の映像感覚といい
正しく 感無量である
トランスフォーマー+2
およそ27年前に出会った作品で、ダイヤモンドの針が擦り切れてしまうくらい繰り返し回した当時のドーナツ・・そのころは、パテイ・スミス、ケイトブッシュ、ブロンディだったりして、でもやっぱり、ルーリードと組んで完成させたこの作品の立役者のデヴィドボウイが賞賛!
Lulu
全世界のヘヴィメタルファンから総スカン的な扱いのこの作品。
メタリカという金看板から想像しうる音像との落差は確かに激しいです。
しかし、こと『ロック』と言う点で語ると、これ、かなり刺激的。
ルーさんのお経ヴォーカルに時にローのしっかり効いたリフが絡み、
時に無調の空間にラーズの気まぐれな?ドラミングが、ルーさんの
歌詞世界と呼応するように絡む様は、これはこれでかっこええのでは
ないでしょうか〜
じれったい間合いを耐えた後にゴーンと鳴るメタリカらしい音塊と
ジェイムズの雄叫びが快感!
メタルオルタナな『セイントアンガー』を生み出したメタリカ+アート趣向の
強い孤高の偏屈ルーリードだからこそ生み出せた特異な作品。
誤解を恐れずに言うなら、ヘヴィロック版のニールヤング+クレイジーホース的な
ヘタウマ感溢れるオルタナロックなのである。
ラーズのドラムが揺れまくっています!(いい意味で、、、)
ジャケットのアートワークも秀逸。