謎の獣神まおくんの直撃動画評論

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エーゲ海の天使 [VHS]  アカデミー外国語映画賞に値するかと言われると確かに疑問だが、決して悪い映画ではない。イタリア兵ひとりひとりのキャラクターも類型的ながらきちんと描き分けられているし、ユーモアにも溢れている。時々、息を呑むほど美しい映像もあり、ギリシャの風景明媚さを見事に伝えていると思う。
 エーゲ海の孤島を舞台にしているものの、主役はあくまでも兵務(といって、兵士らしいことは何一つしないし、できないのだが)のためにこの島にやってきたイタリア兵である。島民との触れ合いなどはさほど細かく描かれず、上手くいけばドラマに深みを加えられる折角の舞台設定を十分に生かしきれていない。
 唯一、重点を置かれてるのは島の女との「触れ合い」である。一人は娼婦、もう一人は羊飼いの女で、どちらもそれぞれの魅力でイタリアのダメ男どもを慰める。娼婦を演じたヴァンナ・バルバは、さして美人ではないものの笑ったときの上がった口角が実に色っぽくチャーミングである。羊飼いはイレーヌ・グラジオリという女優が演じたものと思われるが、これもまた白い歯の輝く健康的な笑顔が逆に挑発的である。まともにカメラに映る女は、この娼婦と羊飼いのほか、ほとんどお婆さんか子供だけという設定で、描き方がかなり偏見に満ちているように思われるが、これも「日曜はダメよ」などからの系譜だろうか。
 戦争が終わり、捕虜に取られていた地元の男たちが帰島すると同時に、主人公たちが故国に送還されるというのも、イタリア兵がいわば島の男の代わりを務めていたことを示していて面白いのだが、やはり地元住民との絡みを十分に描いていないために説得力に欠けてしまう。前の場面からの積み重ねがなければ生まれるはずのカタルシスも生まれないのだ。
 全体的にほのぼのとした好編ではあるが、ラスト、年老いた中尉が島を再訪する場面を加えるのであれば、もう少し後日談に肉付けをしなければ、とって付けたような印象を免れないだろう。

ロマンシア―浪漫境伝説 (ドラゴンコミックス) ファルコムの同名ゲームの漫画化作品。
アニメや小説で活躍されている寺田氏の脚本と
緻密な描画が話題を攫った円氏の絵が見事にマッチ。

角川書店のパソコンゲーム雑誌『コンプティーク』の巻末に
麻宮騎亜の『神星記ヴァグランツ』と共に掲載されていました。

元ネタのゲームではファン・フレディ王子が主人公で
セリナ姫は助けられる側でしたが
MSX2版のソフトでは裏ロマンシアモードというものがあり
コマンド入力に成功するとセリナ姫が主人公になるという
こりゃまたとんでもないけど面白い状態でプレイが可能でした。

そんな訳で本作にはそうしたお遊びも込められているのが心憎いですね。
ゲーム内でもラスボスとして大いにプレイヤーを苦しめた
ヴァイデスが漫画内でもこれでもかというくらい暴れます。
当時はOVAや海外のファンタジー映画などで所謂ビキニ甲冑が
流行してた時期でしたが、本作でもそこまで露骨ではありませんが
上手い具合に取り入れた甲冑を着たセリナが活躍してくれます。
他にも『うろつき童子』や『孔雀王』なんかからの影響が見て取れて
ああ、1980年代の漫画だなあと懐かしい気持ちになれるのも良いですね。

結構凝ったオリジナルシナリオなので一冊で完結しますけど
ボリューム感のある漫画に仕上がっていると思います。

萩原一至の『バスタード!!』や鶴田洋久の『なつきクライシス』
などでも取り上げられたので結構メジャーかもしれませんね。
ドラマCDも発売されていますので興味のある方はそちらもどうぞ。

余談ではありますが裏表紙のフレディとセリナの
ちびキャラ同士の掛け合い図がほのぼのしてて好きだったり。

贅沢ジャム工房 ジャムセット 珍しいジャムのセットを気に入り、友人に送ったのですが好評でした。良かったです。
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