王妃マルゴ [DVD]
とにかく映像が美しい。夜の暗闇、重厚な建物、当時の衣装、全てがフランス、ヨーロッパの歴史の重みの中でじわじわ心に響く美しさを放っています。
私はイザベル・アジャーニが好きでこれを見ましたが、彼女もやはり美しい。愛する人と添い遂げられない主人公の苦悩がよく出ています。苦しく、せつないラストまで、飽きずに見入ってしまいました。
精霊たちの家 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7)
「百年の孤独」に続いて読みました。大部の分量ですが読み始めると「百年の孤独」より物語に入りやすく
感じました。女性の三代記ですが孫娘でチリの軍事クーデターに巻き込まれるアルバの部分が強く惹かれました。
「一見平穏で落ち着いた暮らしと並行して恐ろしいことが行われていることを世間の人に知らせてあげなさいと
言った。『あなたにはまだまだすることがたくさんあるのよ。弱気になってはいけません。水を飲んで、書きはじめる
のです』」・・・自分もノートをとって「根のある人間」になりたくなりました。読み終わった後に様々な登場人物の
言葉が胸に残る豊穣感に溢れる読書体験でした。ラテン・アメリカ独特のエピソードも味わいがあります。
エネルギッシュな一冊です。
ベルク&ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 (Berg & Beethoven : Violin Concertos / Orchestra Mozart, Isabelle Faust, Claudio Abbado)
このCDを最初に聞いた時に思い浮かべたのはジョンヘイダックという建築家の天使についての詩だったり、自殺者の家と自殺者の母の家という作品でした。ジャケットの娘さんはグロピウスというバウハウスの校長を務めたこともある有名な近代建築家の娘だそうです。
イザベルファウストの演奏はとても現代建築的であり、ベルグのこの曲はここで聞けるような演奏でなければならないという確信に満ちたものを感じます。
ベートーベンのも一度解体して再構築された響きです。
ベルグとベートーベンの2つで一つの音楽体験となります。そのどちらも作品の完成度は驚くほど高く、1枚を通して聞いたときの感覚は良い文学作品からくるものと似ています。
録音も素晴らしく、☆5つです。
ヴェルナー・ヘルツォーク作品集I [Blu-ray]
これは米国のアマゾンでは6枚セットで販売されてきたDVDのうちの3枚分のブルーレイ版ということですね。海外版DVDは6枚で定価39.98米ドル(約3,200円)、販売価格は24.46米ドル(約1,960円)です。
因みに後の3枚は
Aguirre, the Wrath of God
Cobra Verde
My Best Friend
です。
購入前にこうした情報を押さえておくことも有益だと考えます。因みに私は2011年の1月に海外版を購入しています。
今回も★は作品ではなく紀伊国屋さんの商品を対象としました。