剣と楓
「原点回帰」と銘打った作品ではありますが、既に多くの方がおっしゃっているように「初期≠原点」であることに注意しなければならないでしょう。
確かに「初期」の3作品はすばらしいものです。ただ、それらがアーティストとして本来の彼女の姿を100%反映したものなのか…
今作は確かに期待とは違う部分があるかもしれません。あくまでも「初期」の彼女に魅力を見出す立場に立つのなら、このアルバムは期待外れと言ってしまえるかもしれません。ですが、今作は従来のイメージとは違う「原点」の彼女の姿により近いものなのではないでしょうか。本当に表現したいものを本当に表現したい方法で表現しているように思える彼女に、ある種の安心感を抱くことだってありえるはず。
リスナーが期待する「アーティスト」像ではない、アーティストとしての彼女を、私は迎えたいと思います。
the ultimate collection
良い曲が多いのでCD1枚でベストと銘打つことに無理があるように思います。
このアルバムは、プロデューサーだった羽毛田さんが選曲したものと
割り切った方が良いと思います。
個人的にはsuger highの曲が少ないのが意外というところですが。
リマスタリングされていて、バックの音の鳴り方、響き方の雰囲気が異なっています。
極端に言うと、スタジオ録音からコンサート風になったような感じがします。
ただし、Fly to meは、音源が異なるためでしょうか、周りの曲から浮きまくってます。
すでに今までのアルバムを持っている方で、演奏とかまで聞き込む方には、
このリマスタリングバージョンもお薦めできると思います。
最後に、ジャケット写真は凄く良いです。
ULTIMATE CRASH ’02 LIVE AT BUDOKAN [DVD]
この作品は最近となって見ることになりましたが、とにかく凄いです。
今の日本のシンガーにこんなライブができるでしょうか?
入っている曲全てが凄い曲・・・アレンジも含めて言えると思います。
Tiger in my Loveではピアノがジャズタッチでアルバムより格好良く、そして圧倒されました。
BORDERLINEやアンコールのCastle・imitation等もとにかく凄いです。
もう5年近く前のDVDですが買おうか迷われている人は、絶対に買うことをお勧めします。
鬼束の様々な作品のなかでは一番凄い作品だと思います。
"ONE OF PILLARS" ~BEST OF CHIHIRO ONITSUKA 2000-2010~
今年デビュー10周年を迎えた、鬼束さんのベスト盤です。 当然ですけど素晴らしい曲揃い。とても嬉しいのが、今作は今までのベスト盤とは違って鬼束さんの気持ちが反映されたセレクションだという事です。
今作は、鬼束さんの「長く歌っていきたい」という志が示されたベスト盤なのだと思います。アルバムから「King of solitude」と「Rainman」が収録されたのも、鬼束さんの一層強い思い入れを感じました。(個人的にも大好きな楽曲達なので収録は嬉しい!)新曲「惑星の森」も、このアルバムの中に存在する事でより意義のある楽曲ではないでしょうか。
数々の鬼束さんの楽曲をじっくり味わえる素晴らしいベスト盤です。そして10年間色々ありながらも、アーティストとして真っ直ぐ作品を産んできた鬼束さんの今の意志が表れた、感慨深い作品です。