科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
ガイドラインが多くて全部買っていたら大変ですが、胆のう炎、胆管炎は多いので持っていた損はないでしょう。
治療のアルゴリズムも載っていて見やすいです。職場に1冊あれば良いでしょう。
急性膵炎診療ガイドライン〈2010〉
エビデンスに基づいているような体裁ですが、推奨はエビデンスに完全に基づいている訳ではないので注意が必要です。
例えば、
『選択的消化管除菌(SDD)は重症例の感染性合併症および死亡率を低下させる根拠に乏しい。』
と
『重症急性膵炎発症早期のCDHFは、多臓器不全への進展を防止する可能性がある。』
はどっちも書いていることは同じですよね。
『SDDは重症例の感染性合併症および死亡率を低下させる可能性がある。』
と
『重症急性膵炎発症早期のCHDFは、多臓器不全への進展を防止する根拠に乏しい。』
であってもいいわけです。
でも印象はかなり違います。
日本の現状にあわせて推奨を作っているので、このように苦しくなるのでしょう。
ただ、いろんな文献・画像を集めてくれていますし、日本の現状も知ることができるという意味で、膵炎診療に携わる人にとって必読の書であることには異論ありません。