瞳の奥の秘密 [DVD]
第82回アカデミー賞外国語映画賞受賞のアルゼンチン映画。
まず、映像の魅せ方が非常に巧い。特にサッカースタジアムの俯瞰から緑が美しいピッチによって、そのまま熱心なラシンサポーターが熱狂する観客席に寄るシーンから追跡、逃走劇にいたるまでのシーンは圧巻の一言。
セットや小道具にも非常に拘りを感じる素晴らしい映像美の作品。
物語の方もストーリーテリングで、プロットが非常に練りこまれており、サスペンス面に置いても一級品で、オマケにとんでもないサプライズ(どんでん返し)が待っている。
サプライズと言っても、この映画の中に宿るテーマ、善悪、生死、変化、愛などの哲学的なテーマを考えてみると、これ以外の結末はあり得ないのかもしれないが、それを魅せきる手法が素晴らしい。
ショッキングであったり美しかったりする映像や、サスペンスの面で優れているの勿論だけれど、要所で挟まれるコメディー要素やラブロマンなど、見せ所は多数存在する。
嫌味な性格なんだけれど、何処かロマンチストで憎みきれない酔いどれの彼は、ウディ・アレンなんじゃなかろうかと思うくらいウディ・アレンっぽい。
そんな彼に笑いも涙も誘われる。
人は変わるところもあれば、変えられない部分もある。
それが酒に溺れてケンカすることであれ、愛であれ、復讐心であれその人にとっての『善』という部分は他人が『悪』だと思ったところで付け入る隙も与えないものなのだろう。
古代ギリシャの哲学者プラトンはかつて「正義とは、己れにふさわしきものを所有し、己れにふさわしきように行為することなり。」と言っていた。
人の瞳の奥(心)に映るものこそが、〜とは何か?ということの真理なのかもしれない。
フォレスト・ガンプ
もうずいぶん昔に購入しましたが、時々聞きたくなるので手放せないCDです。
映画もよいですが、アメリカの近代音楽史ともいえるバラエティ豊かな選曲で何度聞いても飽きないのです。
単に寄せ集めのヒットパレードではなく、音楽ファンを唸らせるツボを押さえた選曲。
ニール・ヤングなどが在籍したバッファロースプリングフィールドなどロックファンの心くすぐるバンドの曲もあり、
ボブ・ディランやビーチボーイズ、ドアーズなど知名度の高いバンドも数多い曲の中から「おっとその曲できますか」という通な選曲。
ロックだけでなく、ソウルやモータウン系、フォークなどバラエティに富んでいるのも魅力です。
映画を見て、気になった曲があった方は音楽の幅が広がるはずですのでぜひ聴いて見て下さい。
このサントラを聞いて、また映画を見直してみるとフォレストが歩む時代背景と見事にマッチした曲の使われ方を再発見することができると思います。
映画のサントラとしてはかなり質の高いアルバムです。
つみきのいえ
こどもが読むかなと思って買ったものですが,読んでみて,じぃーんとしました。
私はまだおじいさんではないですけどね。
穏やかなタッチの絵と,話の内容がとてもマッチしています。
別に大事件が起きるわけでも何でもない話ですが,心に染みる気がしました。
アニメ映画の方は見たことがありませんが,絵本も十分お勧めできます。
下世話の作法
人間社会の最近の風潮をたけしらしい辛辣な口ぶりで切っていく。基本は「粋」「上品」「鯔背」「伊達」と、反対の「無粋」「下品」「野暮」。前者がどんどん減っており嘆かわしいというもの。キーワードの品、夢、粋、作法、芸の5章についてたけし節連発で、なかなかいいことが書かれており、肯くことは多い。スポーツでの「礼に始まり礼に終わる」は柔道・剣道だけではないはず。スポーツ中継でまずこれが出来ていない人間が多い。相撲、ボクシング、確かに・・。食べ物屋でもスーパーでも文化度の低い精神的田舎者が増えてしまった。安易に何でも「夢」にしてしまう。「努力目標」と言い換えるべし。いい年のとり方。礼儀知らずや挨拶できない若者は方法としての作法を知らない、教わっていないから。恥の文化が消えてしまった・・・等々。これ以外にも様々なことがたけし節で続いていく。たけしの考え方のベースは、「たけしくん、ハイ!」や「菊次郎の夏」でお馴染の足立区島根町だ。足立区は東京の北はずれ、川向こうだ。区立梅島第一小学校、区立第四中学校。その時代の隣近所、商店街がルーツだ。それに浅草のストリップ劇場時代の芸人生活がたけしを支えているのだろう。本書はそう意味で「今」と「昔」の生き方の差を教えられることが多い。
私としては「恥」の面で周囲に感ずることは多い。まず電車の乗り降りを知らない老若男女が如何に多くなったか。電車から降りる人を待てない。ドアの内も外も開けて立てない。脇から入り整列乗車の出来ない男。通勤時始発電車のさもしい椅子取り合戦。電車で飲み食いの高校生。電車で化粧する女。未だに臭いポマードべったりの老人男性。子供を叱れない母親。犬同然にその都度はっきり面前で叱らねば躾がわからない老若男女。特に電車内(人前の)化粧は欧米では昔から「三流の娼婦」と言われてきたことを是非教えてあげたいものだ。
Winners ~アカデミー賞で聴くクラシック (最優秀作品賞)
映画音楽というのは、その音楽と共に映画のワンシーンが思い出されるものです。このCDを聴いていると「あー、イイな~」と目を閉じて、その映画のシーンを思い出します。残念ながら、いくつかの未だ見ていない映画については、あまりピンときませんでした。しかし、さすがはアカデミー賞受賞(ノミネート含む)作品に使われている音楽だけあります!その映画をしらなくても、音楽にかなり惹きこまれます☆☆☆
また、このCD付属の「解説書」はカナリお得モノです。映画評論家の西村雄一郎氏による解説、及びコメント→スゴイですよ!読まなきゃ損!!収録されている曲と映画の解説を読むと、曲をより深く楽しむ事が出来ます。それ以外にも、映画興行ランキングや年代別映画総論も面白いです。もの知りになれ、私もさながら映画解説者(笑)
しかし、何よりこのCDの良いところは、「沢山の映画を観たい!!!」という気持ちにさせてくれる事です。今年は時間を見つけて、このCDに収録されている曲が使われた映画を、一つ一つ観ていきたいですね☆
でもでも、折角なら2枚組にしてもっと沢山の楽曲を入れてもいいのではないでしょうかね???という事で、4☆です。