修羅雪姫 [DVD]
タランティーノ監督の「キル・ビル」の元ネタとして話題になりました。同作で使用された、梶芽衣子御自身が歌う「修羅の花」は、この映画の主題歌であります。最近、釈由美子によってリメイクされましたが、別モノと考えた方が良いでしょう。母の怨みを晴らすため、極寒の獄中で産まれた宿命の女・雪。西村晃扮する和尚の厳しすぎる特訓に耐えた末、復讐の旅に出ます。「女囚さそり」にも言えることですが、梶芽衣子は重すぎる宿命を背負った女が良く似合います。柴咲コウが似ているとか言われますが、彼女ではこの味は出せないでしょう。やはり激動の70年代に製作されたという時代背景が重要なのではないかと思います。
修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
第一部の悪役は仲谷昇、岡田英次というダンディ系に深作欣二夫人の中原早苗を混ぜた、まあどちらかといえば知性系。それに対して、今回は南原宏治と山本麟一という最凶コンビを岸田森の秘密警察長官が飼い犬にするという、この上ない悪意の世界が展開します。このトリオ、後先考えないで伊丹十三の思想家にペスト菌を注射したり、それが蔓延すると、今度はペストの温床になったスラム街を焼き払ったりと、まあやりたい放題。これだけヒドイメンバーを部下に抱えると、普段は東映ヤクザ映画で絶対に自己に疑問を持たないボスキャラを演じる安部徹ですらさすがに部下の悪逆非道に恐れ慄いて「悪いことはやめようよ」というのが面白い。
この悪役軍団の前ではさすがの梶芽衣子も前作ほどの存在感を示せないのがちょっと残念ですが、まるで怪獣映画並みの悪役たちの暴走ぶりは爽快感すら与えてくれます。『怨み恋歌』というよりも『怨み濃い歌』と読んだ方がしっくり来るほど、濃い俳優さんたちの無法な活躍が楽しめる、地獄絵図みたいだけど楽しい傑作です。
淫花伝1 「阿部定」上巻 上村一夫完全版シリーズ
エロスの極みでありながら、とても洗練された描線。洗練されていながら、凡庸なエロ漫画には及びもつかないほど胸の高鳴る猥雑さ。その行きつ戻りつする振り子の中で息づく女と男の物語。
上村ファンには説明無用の様式美が、炸裂します。
中でも見開き58ページで、日傘を差し掛けながら振り返る女。なかば失神してるような、あるいは小さく叫んでるような表情。そしてその瞳は、空洞であるだけに、何を見つめ何を思うのか。言い知れぬ恐怖すら感じます。
のちの『関東平野』へとつながる系譜の作品です。
修羅雪姫 (初回限定/特別プレミアム版) [DVD]
マンガや!(褒め言葉ww)
かなりの秀作アクション映画! すばらすぃ
こういうジャンル(おバカ・カッチョエェwwをやりたいぜッ!ジャンル)は
企画から配給、現場からポスプロまで、複雑な製作プロセスのどこかが
ちょっとかみ合わないだけで、相当悲惨なことになるはずだが…
本作は奇跡的なバランスで成功している! 実に貴重な一本です
ドラマ性や映画第一作との比較を云々するのは、野暮ってもんです
つよくおすすめ!
なお、あのコートがブワッとなって、ズズズッといかれるシーンは素晴らしいですね
「おぉっ」と声が出ました