孤独のグルメ (扶桑社文庫)
どうと言う事のない、普段喰ってる物の話で、特にあそこの何が美味いとか、あそこのシェフはこういう工夫をしてるぞ、とかいうウンチクグルメの話ではない。
ふらりと立ち寄った店、買った駅弁、デパートの屋上のうどん。
たった一人でする外食。
わびしいか?寂しいか?
主人公の台詞が帯になっている
「モノを食べる時にはね 誰にも邪魔されず 自由で
なんていうか救われてなきゃあ ダメなんだ
独りで 静かで 豊かで・・」
たくさんの人間で囲む食卓の楽しさは格別だが、独りで静かに食う飯には「癒し」があるのだ、とまあ大げさに言えばこういうことらしい。
独り月下を散歩するような、静かなドラマに溢れているこの作品は、何ともいえない風情で、グルメ漫画というカテゴリからはみ出している。
食の軍師 (ニチブンコミックス)
日本文芸社のB級グルメ専門漫画誌『食漫』に発表された表題連作に醤油メーカーや地域商店街の協賛漫画を数編プラスした内容で、他のレビュアー諸氏が御指摘の通り、泉昌之さんの初期傑作「夜行」と同様の外食に関する男のこだわりとプライド、そしてセコさが滲み出る愛すべき短編集です。
昨年末に本ユニットの原作担当、久住昌之さんが水沢悦子さんと組んで上梓された「花のズボラ飯」とは打って変わった軍師気取りのムサイ男が食べ物屋で一口ほおばる毎に味や己のメニュー選びの失敗に身悶えしながら独りごつ様がなんともユーモラスです。『泉昌之』としてはこちらが本道なのですが…。
主人公、トレンチコートの男に勝手にライバル視される粋人、力石君の颯爽とした格好良さも見物です。
作画担当・泉晴紀さんの劇画のパロディの様な独特のクドイ画風も健在です。旧作ファンをニヤリとさせる大巨獣ガッパや、ウル○ラ・セ○ンやゴ○ラもどきも一コマ登場致します。
巻末にユニット・泉昌之さんとしてのこの30年に発表された単行本の紹介が出版社を超えてされています。
ウクレレ ウルトラマン
前にウルトラマン関係のCDをネット物色してた時にこのアルバムの事を知りました。
ウクレレでウルトラの曲をかい・・・?
と、何か合わない感じしてたんで手を出さずにいたんですが、元来脳天気なモノも嫌いじゃないんで、思い切って購入してみました。
「ウクレレってほんわかしたハワイヤ〜ンな音の出るミニギターみたいなやつでしょ〜・・・牧伸二のあぁ〜あんあやんなっちゃった〜♪みたいな・・・。あれでウルトラマンの曲をどう表現するのかしら?」と、想像すら出来ずにいましたが、
聴いてみたら、相当良いですね!
帰ってきたウルトラマンの曲が、あんなにのほほん南国リゾート気分な曲になってるとは!
それとは逆に、ウルトラマンAの曲は、南の島でのちょっぴり危険なアバンチュールみたいな、ちょっとアダルトな感じに仕上がっててビックリでした。
原曲は拳を振り上げてしまいそうな軍歌調なのに。
セブンの挿入曲、ワン、ツー、スリ〜フォ・・ ワン、ツー、スリ〜フォ・・の、あのカッコイイ曲も南国アダルティー調になっております。
タロウの曲は沈む夕陽を見ながら浜辺でシットリと・・といった趣の物悲しさを湛えた仕上がりに。
それぞれにオシャレな雰囲気で、こういうのもアリだな〜と思いました。
ただ、ウクレレ版レオがないのが少しさびしいですね。
主題歌は難しいにしても(Aの曲でもオシャレに仕上げたんだから大丈夫な気もするけど)、「星空のバラード」などはウクレレアレンジしてもイイ感じになりそうなんですけどね〜
あと、「シーモンスの歌」のウクレレ曲も入れて欲しかったかなぁ。
好みにもよるし、ウクレレの音色に耳慣れないと違和感感じるかもしれませんが、このアルバムはオススメです。
スターウォーズの曲をウクレレで奏でてる「ウクレレフォース」なるCDもあるらしいので、そちらも要チェックですね。
ドラマCD 「孤独のグルメ」
「孤独のグルメ」をラジオドラマ化なんて本当に出来るのか?と懐疑的でしたが、ラジオドラマ好きの私としては、星5つあっても足りない!星10個!さらに倍プッシュ!ここ十年でも、比較できる作品の無い傑作です。
・本編は、厳選した原作エピソード(といっても、原作もあまり話数はないのですが)を忠実に再現し、ことに、甘味処で仕方なく豆かんを頼んでみたら大当たりというあたりなどは、私としては最高の出来でした。ちょっと新幹線に乗って、谷中の天王寺さん近くの店で、あんみつと愛玉子食ってくる。と出かけたくなるほどです。
・おまけトラックがすごい。声優つながりで、はっきり言えば「24」のパロディなのですが、無駄にシナリオも演技も凝っています。もう40回は聴き直しました。ジャック風の主人公が、無駄に周囲を警戒し、しかももの凄い勘違い(少しぼかしますが、彼ら客は工作員!きっとそうだ!て感じです)をしながら、山谷の場末の定食屋でメシを食う!うまい!だが工作員をどう捌く!どうする!?て感じで、いくら聴いても飽きない。笑いも止まらない。このトラックだけのために3千円出したって惜しくない。ちなみに、やはり中の人つながりで、店の中で苦悩しながらコンテンダー(装甲車も打ち抜く銃)ぶっ放しそう(元ネタはFate/ZeroのラジオCDです)で、それも想像してしまいニヤニヤしました。
・騙されたと思って買ってください。面白くなかったら、この教会の丁稚、教会の威信をかけて全責任を負う!(いざとなればばっくれますけどね・笑)
花のズボラ飯
うまぁ〜い、と今日も手作りの料理に舌鼓を打つ若奥様、花さん。
さすがに主婦だけあってきっちりしているかと思いきや、実のところは
君それでいいの? と思わず詰問したくなるようなズボラな食生活。でも手を
抜いてナンボなのが単身赴任の夫を持つ主婦の特権なんじゃないかな、と
きまぐれで奔放なその生活を応援したくなります。いやしちゃいます。
でも旦那さん、花さんのこんな日常をどこまでご存知なんでしょうか?