きみがいた時間 ぼくのいく時間-タイムトラベル・ロマンスの奇跡-
「タイムトラベルロマンスの軌跡」
という副題がついているのはダテではない
まさにロマンス小説でした。
読後感はちょっと酸っぱい。
普段はハードな設定重視のSFものが好きですが
ロマンスが絡むとこういったゆるい感じもいいですね
ハリウッド映画のSFものを見て
つっこみを入れずにいられる人には
なんの違和感もなく読めると思います。
カデンツァ〈1〉―青の軌跡 番外編 (リンクスロマンス)
私が初めて出会ったBL小説が、この「青の軌跡」でした。『デル戦』を描かれた沖さんのイラストに魅かれ、何気なく買った上下巻。目の前がチカチカするような衝撃を受けたような記憶があります。複雑な心理描写も良かったのですが、動きの表現の素晴らしさに圧倒されました。
読みながら、頭の中で瞬時にアニメーション化されていくようで・・・
特に人物が、見事なまでに途切れのない動きをします。無論人物だけでなく、背景や物もしっかり見えます。
その後久能さんの作品を全て読破し、いつの間にやらすっかり腐女子に・・・
さて「カデンツァ」です。『それから。』の後の話が『Ever Green』になるのですが、『Ever Green』の方が先に構成されています。
『それから。』を読み終わった後、『Ever Green』の最後で三四郎がこれから取ろうとしている行動に思いを返し、フッと笑みたくなったのは私だけでしょうか。『それから。』を先に読んでもいいかもですね。『Ever Green』はその後の三四郎なので・・・
今回『それから。』、三四郎とカイが身悶えするほど良かったです〜。こんなにかわいいカイはもう二度とお目にかかれないでしょうね。
相変わらずの三四郎と相変わらずのカイなのですが、最後がもぉぉぉ甘い甘い!!ほんと今までも、これからもこんな二人はもう出てこないだろと思います。どなたかも書いてみえましたが、ベッドシーンがゾクっとくるほど官能的でキレイなんですよね。こういうベッドシーンを書かれる作家さんはほんといないと思います。
最初と変わらず、頭の中でアニメーション化されつつ読むのは良かったのですが、三四郎が隻眼になった経緯あたりの場面は、さすがに画像を止めたくなりました。生きてて良かった三四郎!!
次回作も楽しみにしています。